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コラム一覧 鈴木美佳氏

鈴木美佳氏コラム一覧



鈴木美佳


インサイト株式会社 代表取締役



1997年にAOLジャパン(現イー・アクセス)のコールセンターオペレーターとして入社、インハウスセンターにて電話での顧客対応の現場を複数年経験する。
同社でSVなど管理者層業務も経験し、ベンダーマネジメントも同時に担当。後にマーケティングセクションにてメンバーリテンションやSP支援も担当。その後テレマーケティング会社においてマネジャーとして複数センターの管理責任者を担当。コンサルティングや営業活動支援等も担当し、アウトソーシングで形態のコールセンター運営を学ぶ。
2006年春、独立。2007年1月にインサイト(株)を設立。経験を基軸にしたコールセンター運営支援コンサルティングや研修事業を行う。









【コラム一覧】
[2010.06.17]メール対応の極意-メールを“傾読(ケイドク)”しよう最終回
[2010.06.07]メール対応の極意:メールを“傾読(ケイドク)”しよう 第五回
[2010.04.21]メール対応の極意:メールを“傾読(ケイドク)”しよう第四回
[2010.02.15]「無視せず、受け止める」
[2009.12.25]メール傾読テクニックその1「ブレイクダウンする」
[2009.11.17]メール対応の極意:メールを“傾読(ケイドク)”しよう





メール対応の極意-メールを“傾読(ケイドク)”しよう最終回

連載コラム最終回

今やコンタクトセンターにおいて、電話に次ぐ顧客とのコミュニケーションツールであるメール。10数年前に開始されたものの、いまだ標準化されていない部分も多く、各社が試行錯誤を繰り返している状況が多く見受けられます。
エンドユーザーにとってもニーズも高いメール対応の品質向上への取り組みについてノウハウを紹介します。


これまで5回にわたり、顧客の真意を見出すべく活用するスキルとしてメールの傾読(ケイドク)について紹介してきました。
最終回となる今回は、メールを傾読できたという前提の上で、返信文章をまとめる際のポイントについてご説明し、このテーマでのコラムをおしまいにしたいと思います。

せっかく真意はつかんだものの、表現に誤りがあっては何の意味もありません。これもコール対応と同義で、「いや、頭では分かっていたけれど、ああいう言い方になってしまった…」というトラブルを予防するためのポイントですので、ぜひご確認ください。

ポイントは全部で4つです。
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1.ワンセンテンス・ワンエッセンス

ひとつの文章にはひとつの要素しか含めないということです。日本語は、続けようと思えば、ずっと一つの文章を続けることができます。しかしそれは読み手に誤解を与えますし、「何を伝えたいのか」が読み手には分かりにくくなります。
なぜわざわざ注意点としてこれをお伝えするかということも申し添えます。コール出身のオペレータさんがメールオペレータになることも多いはずです。話しことばと、書き言葉は、あきらかに違います。コール対応のオペレータさんが書かれる文章は概して冗長なことも多いのが事実です。意識して「区切って」表現していくようにしていってください。(実は私自身が冗長な文章を書いてしまっており、大変な苦労をしました。)

2.読み手絶対主義

当たり前のことですが、書き手の事情や都合は一切関係ありません。「相手にとって分かりやすい文章か?」ということを首尾一貫する、それだけです。
こんな簡単なことですが、これがなかなか難しい。コミュニケーションの基本は、「相手主義」です。自分が発信したことを理解してもらえたかどうかは、相手が決めることです。
これはメール対応だけでなくすべてのコミュニケーションのヒントです。「私は伝えたつもり」でも、相手が理解していなければ、コミュニケーションは成立していないのです。
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3.必要以上にへりくだらない

よくあるケースです。どのポイントで謝罪すべきか、きちんと見極めてください。また、丁寧にしようという気持ちが強まりすぎ、過剰な敬語を利用しているケースも多くあります。敬語や謙譲語は正しく利用してこそ、相手にその敬意や謙譲の気持ちが伝わるものです。単純に言葉を重ねていけばよい、ということではありませんのでご注意ください。

4.肯定表現に書き換える

顧客が知りたいと思っているのは、おそらく基本的には「できること」についてです。コールセンターでは「できないこと」について伝達することが多いせいか、大変ネガティブな表現をしているケースによく遭遇します。
現場出身の私にはよくその気持ちが理解できます。1日何十回も「出来ません、申し訳ありません」と伝えていれば、自然とそのような表現になることは容易に分かります。
しかし、その気持ちやモードを一回一回リセットできるのがプロといえます。また、それらをSVなどがサポートし、常に客観的な視点でフィードバックをし続けることもあわせて必要です。オペレータ一人だけにこの点を強要してはいけません。

以上4つの点が、表現していく際に留意していくポイントです。傾読のポイントとあわせて、回答文章を作成する際のヒントとしていただければ幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

鈴木美佳
インサイト株式会社 代表取締役
1997年にAOLジャパン(現イー・アクセス)のコールセンターオペレーターとして入社、インハウスセンターにて電話での顧客対応の現場を複数年経験する。同社でSVなど管理者層業務も経験し、ベンダーマネジメントも同時に担当。後にマーケティングセクションにてメンバーリテンションやSP支援も担当…
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メール対応の極意-メールを“傾読(ケイドク)”しようvo.5

連載コラム第五回目 
「今やコンタクトセンターにおいて、電話に次ぐ顧客とのコミュニケーションツールであるメール。
10数年前に開始されたものの、いまだ標準化されていない部分も多く、各社が試行錯誤を繰り返している状況が多く見受けられます。
エンドユーザーにとってもニーズも高いメール対応の品質向上への取り組みについてノウハウを紹介します。」

~今回は、傾読テクニックの4つ目を紹介します。「パーソナリティ感を出す」ことです。~

■メール傾読テクニックその4「パーソナリティ感を出す」
メールを傾読するにあたって、もっとも重要なポイントです。「傾読」という言葉の示すことそのものです。これまで紹介してきた3つのテクニック(ブレイクダウンする、無視せず受け止める、行間を読み取る)ができていたとしても、最後のこのポイントが抜けてしまっては、意味がありません。
これは簡単にいえば、「ただでさえ無機質な文章にこころをこめる」ということです。これは、電話対応において皆さんが実践されている「傾聴」による心配りをするということです。「傾読」という言葉の起源は、「傾聴」です。ぜひその点を踏まえていただければと思います。

電話対応では、適切な抑揚をつけたり、共感性を示すことばをかけたりすることで傾聴していることを表現している

電話対応だけではなく、これは日常のことばによるコミュニケーション全般で私たちが実践していることです。難しいことではありませんが、こと電話対応となると急にこれらができなくなるケースも多いですね。
これらのことが実行できなければ、コール対応でも「要件は済んだけれど、なんだかしっくりこない」という冷たい印象を与えがちです。お客様は過度に優しくされたいわけでは決してありませんが、せめて自分のことは「受容」してほしいと考えるはずです。「受容」を表現するのは、言葉そのもの、言葉の抑揚などです。対面であれば、顔の表情なども含まれます。

 メール対応でも同様に言葉を記載することでパーソナリティ感を高め、「傾読」していることを示すことができる

メール対応でもまったく同じことです。ご友人などとのメールのやりとりでは、おそらく皆さん実践されていらっしゃることと思います。言葉を付記しなくとも、もしかしたら顔文字やデコメールで表現しているかもしれません。それがパーソナリティ感を出すということです。以前「顔文字や絵文字のない携帯メールは無感情で嫌」と感じている若者が多いという記事を目にしたことがあります。それだけ、メールは便利なツールでありながらも、その感情をどう伝えるかが重要ということの表れなのでしょう。
余談になりますが、筆者の周囲では顔文字を使う派、使わない派ときっぱり分かれています。私は、そのどちらにも対応できるようにしています。受け手がなるべく快く感じるメールのほうがいいですからね。

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前置きが長くなってしまいましたが、パーソナリティ感を出す方法はコール対応のテクニックと同じです。リアルタイムコミュニケーションであった場合には無視できないポイントは、しっかりと受け止めてことばを返すことが必要です。

メール対応においてテンプレートを活用することは、効率的運営の観点からも大変重要ですが、生産性に対するウェイトが高くなりすぎるとこのポイントはほぼ実践不可能となります。
テンプレートにあてはめた回答をするのならば、それこそメール対応の意味がなくなってしまいます。場合によってはシステム化し、顧客の質問を想定しそれに対していくつかの解決策を提示するというサービスを行ってしまえばいいのかもしれません。

そこで人的対応ならではのメリットを活かせるのが、メール対応です。手書き対応をすべてに実践せよということではなく、テンプレートを上手にカスタマイズして、パーソナリティ感を出していくという工程が重要であるということを改めてご理解いただければと考える次第です。

最後に念のため申し添えますが、テンプレートの見直しも定期的に実施をすることも重要です。気付いたら内容が古く、顧客から内容を指摘されてしまったということは、よくある話です。

次は、メール傾読ポイントのおさらいとまとめです。

鈴木美佳
インサイト株式会社 代表取締役
1997年にAOLジャパン(現イー・アクセス)のコールセンターオペレーターとして入社、インハウスセンターにて電話での顧客対応の現場を複数年経験する。同社でSVなど管理者層業務も経験し、ベンダーマネジメントも同時に担当。後にマーケティングセクションにてメンバーリテンションやSP支援も担当…
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メール対応の極意-メールを“傾読(ケイドク)”しようvo.4

連載コラム第四回目 
今やコンタクトセンターにおいて、電話に次ぐ顧客とのコミュニケーションツールであるメール。
10数年前に開始されたものの、いまだ標準化されていない部分も多く、各社が試行錯誤を繰り返している状況が多く見受けられます。
エンドユーザーにとってもニーズも高いメール対応の品質向上への取り組みについてノウハウを紹介します。

今回は、傾読テクニックの3つ目を紹介します。「行間を読み取る」ということです。


■メール傾読テクニックその3「行間を読み取る」

これも良く言われる点でありながら、「じゃあ、どうやって実践をすればいいのか?」と具体的な方法がわかりにくいテクニックの一つです。
本来でしたら、皆さんのやりとりされた実際の事例を用いて解説するのが一番良いのですが、便宜上、私自身が以前問い合わせを実施した例を用いて解説します。
原文そのままではありませんが、過去の実例を少しアレンジしたケースを見ていただければと思います。
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上記の例では、まず前回お伝えした「ブレイクダウンする」テクニックを利用すると、3つの要素があることがわかります。(潜在的ニーズのことについては、後の回で触れます。)それに対して、以下のような返信文が戻ってきました。
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行間を読み取る、すなわち“潜在的な要件やニーズを読み取る”ことです。なかなか難しいことは事実ですが、主観を捨てて、お客様の立場になりきって考えることで、「不可能」ではありません。
この事例は大変シンプルですが、ここでも十分行間を読み取ることができます。顧客が表現した内容からその背景を探ります。この場合、ポイントはいくつかありますがまず“フランス、ドイツを回る”という具体的表現をしています。明記したうえで、“何か特典がありますか?”いう質問を投げかけています。
さまざまな捉え方はあると思いますが、ここではシンプルに、“ある程度細かく書いておけば、お得な情報を教えてくれるかもしれないな”という行間を読み取るということをします。
さらにここで十分に注意したいのは、ポジティブなニーズを見逃さないことです。この場合、わざわざ問い合わせをしてくるという行動にでた顧客が何を示すのか、という点を見逃さないことが大変重要です。
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行間を読み取るためのポイントは3つあります。

1.書き手の状況を最大限想像し、最善の回答を記載する。
このプロセスは重要です。ついつい忙しいと表面上の文面だけを見て、回答をあてはめてしまいますが、このプロセスの有無で回答文面に大きな違いが出てきます。
表面上の言葉だけに反応するのは、顧客「対応」ではなく、「作業」です。この点をどうかお忘れなきよう、お願い致します。

2.最大限想像したというプロセスを表現する。
この部分はあまり誇大に表現することはありませんが、適切に表現することで、「顧客の立場に立って考えた」ことを伝えることもできます。顧客からの事実情報を引用し、すなわち・・である、ということを伝えるということです。

3.それでもわからなければ、コール同様、確認をする。(曲解は望ましくない)
最大限に想像し、そのプロセスを表現したいものの、それを表現するに乏しい状況というのも数多くあると考えられます。その場合には、「結論に結び付ける」ために曲解しているケースも少なくないのではないでしょうか。
分からない場合は無理をせずに顧客からの情報を再確認するアプローチを取るほうが良いでしょう。概ね察しが付く場合も少なくないと考えますが、その場合は2.のプロセスを表現することで曲解を避けましょう。
コール対応ではよく実施している、「○○ということは、△△ですね?」というプロセスをメールでも実践しよう、ということです。

今回はかなり定性的、感覚的な部分もあり、なかなか文章でお伝えするのが難しい点です。しかし、上述したポイントは、コール対応とほぼ同様のプロセスであると考えております。よくあるケースで、コール対応においても、意図せず目的の伝達欠如が多々起きています。悪気なく冷たくなってしまったり、または顧客のペースを考えずに案内を進めてしまったりしているなどのケースにあたります。
理由はメールもコールも同様で、相手目線でないから、この一つだけです。相手目線で考えることで見えてくることは、非常に多くあるのです。

その顧客目線ができれば問題は簡単に解決できる、とお考えでしょう。私たちは会社を一歩出れば、一消費者です。その感覚を研ぎ澄ませていれば、徐々に顧客目線と自社目線の切換えもできてくるのでは、と考えます。

次は、傾読4つめのポイントについて紹介する予定です。

鈴木美佳
インサイト株式会社 代表取締役
1997年にAOLジャパン(現イー・アクセス)のコールセンターオペレーターとして入社、インハウスセンターにて電話での顧客対応の現場を複数年経験する。同社でSVなど管理者層業務も経験し、ベンダーマネジメントも同時に担当。後にマーケティングセクションにてメンバーリテンションやSP支援も担当…
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メール対応の極意-メールを“傾読(ケイドク)”しようvo.3

連載コラム第三回目 
今回は、傾読テクニックの2つ目を紹介します。「無視せず、受け止める」ということです。


■メール傾読テクニックその2「無視せず、受け止める」

とてもシンプルな事ですが、なかなか徹底されていないのがこのポイントです。つまり、「顧客からの申し出すべてに対してアクションを取りましょう」ということに過ぎません。電話対応なら当たり前に実施しているこのことですが、メール対応となると、いくつかの理由からこのシンプルな法則が守られないという事態が起きてしまうようです。
原文そのままではありませんが、過去の実例を少しアレンジしたケースを見ていただければと思います。
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上記の例では、まず前回お伝えした「ブレイクダウンする」テクニックを利用すると、3つの要素があることがわかります。(潜在的ニーズのことについては、後の回で触れます。)それに対して、以下のような返信文が戻ってきました。
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回答文章もブレイクダウンして確認してみます。

①の部分はいわゆる挨拶の定型文です。しかし、問い合わせ文章では「興味を持っている」という積極的な文章でした。それに呼応しているとは思えません。コメントした通り、辛うじて無視していない、というレベルです。

②はご覧のとおり、何らかの定型文章を当て込んだものと思われます。「個人情報に対しての問い合わせが来た場合のテンプレート」というものを選択したと思わせるような内容です。というのも、単なるURLの貼り付けで、Webページへの誘導をしているだけです。
念のため申し添えますが、私はテンプレート文章を否定しているわけではありません。実際の生産性、そしてサービス品質の均一化を考えれば、テンプレートなくしてメール対応はできるはずがありません。定型文章でも、手を加えるだけで相手の質問に回答することが簡単にできます。このことは、4つめのポイントの際にお伝えします。
そして結果としては「心配なら、自分で該当のWebページを確認して、自己判断のうえ入会をしてくれ」と言わんばかりの回答文章です。
これで、この問い合わせをした方は、このサービスに入会すると思われますか?私は絶対にあり得ないと思います。皆さんも、メール質問者側の立場になれば非常にシンプルに考えられると思います。

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質問内容を網羅し、きちんと回答することはもちろん重要です。それに加えて絶対に無視してならないのは、「顧客の感情」です。
つい最近も、初めに顧客の感情を無視してしまったがために重症化したメールクレーム対応の例に遭遇しました。とてもシンプルなことですが、テンプレートに当てはめて回答するという「作業」化してしまうことで顧客満足度は著しく下降し、時にはクレームにも発展します。
顧客の感情が電話よりも見えにくいメール対応で、顧客の感情らしきものが文章化されているときはそれを見逃してはなりません。そこが、メール対応で他社と差をつけるポイントとも言えます。

私がメールミステリー調査をしている中で大変すばらしい対応をしている企業がいくつかありましたが、それはいずれもテンプレートを駆使しながらも、One to Oneを意識させる内容でした。マーケティングの権威フィリップ・コトラーも、顧客のサービスレベル指標の一つとして「自分だけに向けられているサービスであるか」という点は影響すると述べています。
皆さんもこれまでに心に残っている良いサービスは、「自分のために○○してくれた」というものではありませんか?おそらくそのはずです。そのポイントを忘れないようにしていきましょう。

次は、傾読3つめのポイントについて紹介する予定です。


   
   

鈴木美佳
インサイト株式会社 代表取締役
1997年にAOLジャパン(現イー・アクセス)のコールセンターオペレーターとして入社、インハウスセンターにて電話での顧客対応の現場を複数年経験する。同社でSVなど管理者層業務も経験し、ベンダーマネジメントも同時に担当。後にマーケティングセクションにてメンバーリテンションやSP支援も担当…
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メール対応の極意-メールを“傾読(ケイドク)”しようvo.2

連載コラム第二回目 

「今やコンタクトセンターにおいて、電話に次ぐ顧客とのコミュニケーションツールであるメール。10数年前に開始されたものの、いまだ標準化されていない部分も多く、各社が試行錯誤を繰り返している状況が多く見受けられます。エンドユーザーにとってもニーズも高いメール対応の品質向上への取り組みについてノウハウを紹介します。」




今回から、メールを傾読するためのテクニックを1つずつ紹介していきます。テクニックは全部で4つ。一つずつ紹介していきます。今回は、「ブレイクダウンする」です。




■メール傾読テクニックその1「ブレイクダウンする」
顧客から受信したメールは、しっかりとブレイクダウンして読み込む必要があります。毎通ごとにここまで細かくするわけではありませんが、入り組んだ案件となった場合は、特にこのステップが重要となります。ポイントは、潜在的ニーズをきちんと読み取ること、そして、MECE(ミッシー/Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive:漏れなく、ダブりなく)を把握しよう、この2点です。
今回は、以下の図1にあるようなシンプルなメールが来たと仮定します。まず前提として、しっかり傾読するためにメール文章を図のように分解して、しっかりと把握することが必要です。<図1>

・「潜在的ニーズ」にも目を向ける
フィリップ・コトラーによれば、ニーズは5階層に分かれているとのことです。つまり、言葉に出されているニーズ以外にも、いくつかの隠された(潜在的な)ニーズがあるということです。そもそもそれだけ慎重にならなくてはならない上に、顧客が通常声にする、あるいは質問文章として送信してくるメールの背景は、当然ながら人それぞれに違います。
重要なのは、文字だけを追わず、この段階でも顧客の潜在的な用件―言葉には表現されていないが、思っているであろう事項について考えながら表現された文章についてきちんとブレイクダウンして、把握しておくということです。<図2>

・漏れなく、ダブりなく…MECEで行こう!
正確に顧客の申し出や質問を理解することが重要です。この事例は簡単な例ですが、意外に漏れなく、ダブりなく顧客用件を把握することは難しいことが多くあります。<図3>

顧客からの質問文章は、さまざまな表現となっていることでしょう。時系列が様々であり、また構成も企業側が回答しやすい順番に並んでいるわけではありません。くれぐれも意訳せずに、顧客の質問内容に忠実に回答文章を作成することが肝要です。やむを得ない状況のとき以外は、顧客が聞いてきた表現や順番どおりに回答するのが望ましいといえます。テンプレートで回答するとしても、前後の文章で補足することで状況は改善すると考えられます。慎重に、「漏れ」のない回答文章を作成するようにしてください。

また、テンプレートを貼り付けていくと、結果的に「ダブり」が発生しているということもよくあります。同じことを二度繰り返して記載していないか、もう一度確認をお願いします。
潜在的な用件や状況に対してどのようにケアしていくべきか、という点については、また次回以降詳細を説明しますが、このケースではひとつ「提案」をすることでその潜在的な用件・ニーズに対しての回答をするということも考えられます。しかし、この段階ではまず「MECE」になっているかを慎重に確認することが重要です。

顧客からのメールをさっと目で読み、どのテンプレートを当てはめるか、と作業的になってしまうと、漏れ、ダブりが発生します。くれぐれも、質問文章に誠実に、きちんと理解するという基本的な動作が実に重要なポイントです。

次は、傾読2つめのポイントについて紹介する予定です。
   
   

鈴木美佳
インサイト株式会社 代表取締役
1997年にAOLジャパン(現イー・アクセス)のコールセンターオペレーターとして入社、インハウスセンターにて電話での顧客対応の現場を複数年経験する。同社でSVなど管理者層業務も経験し、ベンダーマネジメントも同時に担当。後にマーケティングセクションにてメンバーリテンションやSP支援も担当…
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メール対応の極意-メールを“傾読(ケイドク)”しようvo.1

連載コラム第一回目 

「今やコンタクトセンターにおいて、電話に次ぐ顧客とのコミュニケーションツールであるメール。10数年前に開始されたものの、いまだ標準化されていない部分も多く、各社が試行錯誤を繰り返している状況が多く見受けられます。エンドユーザーにとってもニーズも高いメール対応の品質向上への取り組みについてノウハウを紹介します。」


■メール対応の歴史と現在のポジショニング

インターネットの普及により、企業がエンドユーザーとコンタクトを直接取れるようになりはや10年少々が経過しました。コールセンターの存在意義は大きくなり、遂に2009年にはドラマの舞台になるなど、認知度も大きくなり、ますます重要性は増すばかりです。
それと付随して普及を広めてきたのが、メール対応です。しかしこちらはあまり大きく取り上げられることも多くはなく、どちらかというとコールセンターに“併設”されている機能の一部という感が拭いきれません。

筆者は一度だけ、電話対応は一切せずにメール対応だけを実施するセンターを構築したことがありますが、それでも、イレギュラー対応として電話対応も間々発生していたという事実もあります。それくらい、声の届かないコミュニケーションは難しいものといえます。
そしてコール対応とは違いなかなか数値化しにくく、基準も存在しないのも運営を難しくしている要因の一つのようです。
現状が悪いとは申しませんが、あらためてメール対応における現状を推測すると図のようになると考えられます。問題はこれだけではないとは思いますが、概ねこういったことが阻害要因になっているのではと推察します。一度ご確認いただければと思います。

※参考資料

■なぜ“傾読(ケイドク)”なのか

傾読(ケイドク)という言葉は私が勝手に作った造語です。コール対応においては「傾聴すること」の大切さが語られており、その言葉は語りつくされています。しかし、メール対応においてはそのレベルまで達していない現状があるのではないかと感じています。
というのも「テンプレートの拡充」であったり、「システムの導入」であったりと、コールセンターの黎明期付近に実施されていたことがまだまだ語られており、10年近く経過してもそう大きく進歩していないような印象があります。
しかしながら、一方ではメールでの顧客対応における品質や満足度に大いに注意を払っている企業やセンターがあることも事実です。誤解を恐れずに申し上げれば、メール対応については品質や考え方が二極化していると感じてしまう今日この頃です。
メールでの対応が軌道に乗れば、センター運営の効率化も考慮でき、企業としてはメリットも大きくなります。ただしそこには忘れてはならない「顧客視点での対応」という大きな要素があります。
これを実現していくのが、メールを傾読(ケイドク)することです。これは簡単にいえば傾聴することと同じであり、「見る」から「読む」へ、ということにほかなりません。具体的なテクニックについては、次回以降紹介していきたいと思います。

■傾読(ケイドク)その前に確認してほしいこと

貴社のセンターにおいてのメール対応において、特に問題ないとお感じの方も多いことでしょう。しかし、昨今「問題がない」レベルでは、他社サービスへ簡単に乗り換えてしまいます。より差別化をはかるために、きちんと顧客のメールを傾読(ケイドク)しましょう。
ひとつ確認していただきたいのが、顧客からのメールを申し出別に回答テンプレートにあてはめることがメール対応だとお考えのセンターがあれば、それはぜひ改めていただきたいと思います。それは、残念ながら「読んでいる」ことにはなりません。当てはめる作業に腐心すると、肝心の申し出や顧客の気持ちを全く無視することにもなりかねません。メール対応オペレーション全般につき、一度見直しの機会を持っていただければと願うばかりです。
  
   

鈴木美佳
インサイト株式会社 代表取締役
1997年にAOLジャパン(現イー・アクセス)のコールセンターオペレーターとして入社、インハウスセンターにて電話での顧客対応の現場を複数年経験する。同社でSVなど管理者層業務も経験し、ベンダーマネジメントも同時に担当。後にマーケティングセクションにてメンバーリテンションやSP支援も担当…
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