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コラム一覧 井口大輔 氏

井口大輔 氏コラム一覧



井口大輔




1973年東京生まれ。
セールスコミュニケーション、チームコミュニケーションなど、営業を主体としたコミュニケーション研修を得意とする。18歳から6年に渡る留学生活を活かし、帰国後は販売業、営業などを経験。法人向けセールスアウトバウンドでは、セールスプライズを受賞。その後そのコミュニケーション力を認められ、大手テレマエージェンシーにて、セールスアウトバウンドトレーナーに従事。アウトバウンドエージェントと管理者層の育成に努める。
現在は、フリーのコンサルタントとして、営業やコールセンター向けコミュニケーション研修などを手掛ける。






【コラム一覧】

[2010.02.26]セールスアウトバウンドに適したトークスクリプトとは何か?

[2010.01.28]セールスアウトバウンド(※)Trainerによる新人育成のあるべき姿

[2010.01.07]新入社員に必要な“ビジネスにおけるコミュニケーション研修”

[2009.11.24]ビジネスにおけるコミュニケーションとは?

[2009.11.12]そもそもコミュニケーションとは何か?

セールスアウトバウンドに適したトークスクリプトとは何か

さて、前回はセールスアウトバウンドトレーナーの新人育成のあるべき姿をお話させて頂いた。今回はエージェントが使うトークスクリプトの必要性と、適したスクリプトについて話してみたい。

■セールスアウトバウンドの種類とスクリプトの関係

セールスアウトバウンドには大きく分けて2種類ある。1つはB to C、つまり法人から個人へのセールス架電である。これは所謂「獲得系」というもので、インターネットの光回線導入などが多くみられる。架電先は一般家庭となるため、コール内容も定型スクリプト利用し簡略化される傾向が強く、ガチャ切りや罵倒、クレームなどへ発展するケースが多くみられる。(一般家庭の最も忙しい時間帯にコールを集中することや、電話でのセールスが胡散臭いモノとして捉われていること、トークに「読んでいる感」が出てしまう、等が原因として挙げられる)一方B to B、法人から法人へのセールス架電のセンターは「営業系」とされ、法人顧客への架電を行い、リレーションを構築するところから始める。一つの企業に対し継続したコンタクトを行い、リレーションを構築したのちにアポイントや見込案件の創出といった、実際のセールスへと繋げていく。こちらの場合相手が法人のため、ガチャ切りなどは殆ど見られない。

特徴としては、前者の場合、リストの数が多めである。大抵は2万件前後だが、案件によっては4万件以上という場合もあり、それを次から次へと架電していく。よって効率を求められるケースが多く、効率よく架電をするためにはどうしてもスクリプトに依存せざるを得ない。この場合のメリットは、トーク内容が一定にできるため、育成期間が少なくて済み、簡単な商品研修とトーク研修だけですぐに架電へと進む事が出来る。但しトーク自体がスクリプトに頼りがちになるため、金太郎飴の如く、誰もが同じトーク内容になるデメリットもある。

後者の場合、リストの数は平均300件ほどで、どんなに多くても500件程度だ。個人に割り当てられたリストは、担当が退職または入れ替えになるまでずっと抱えるため、顧客とのコンタクトは定期的に行われる。言わば、電話によるルートセールスのようなものだ。スクリプトは最初と最後の挨拶部分くらいで、あとはアドリブとなる。この場合のメリットはトークの自由度が高いことである。但し、どのようにトークを進めるかはエージェント次第となるため、トークに求められるスキル(特に営業部分)が高くなる。また、ナレッジの共有をしっかりと行わないと、AGの成績にバラツキが大きく出てしまう可能性を持っている。
このことから、セールスアウトバウンドの種類とスクリプトとの関係においては、架電効率に対してどれだけの数値目標を置いているかによって、違いが生じる。

筆者の場合、コールセンター業務経験のほとんどがセールスアウトバウンドで、そのうちの9割が法人向けであった。たまにスポットのヘルプとして、B to Cのセンターへ出向くこともあったが、思い返してみると、個人的には法人向けの方が自分の適性に合っていたと思う。決められた内容を忠実になぞるより、アドリブにより時事ネタや業界動向、果ては身の回りの出来事すらトーク内容に盛り込み、じっくりとお客様とリレーションの構築が出来るため、架電に追いかけられるよりも、架電を自ら追いかけることが出来たことがその理由だと感じている。

■セールスアウトバウンドにおけるスクリプトの必要性

同じセールスアウトバウンドとはいっても、架電先の違いによってスクリプトの必要性は異なってくる。
B to Cの場合、オープニングからクローズまでを一連の流れにしておく事で、誰に架電しても一定のトーク水準が保てる。また、お客様に提供するサービスや商品が1つであることが多いため、ヒアリング内容などもスクリプトに組み込まれる形となり、架電の効率化のためにスクリプトを用いるケースがほとんどである。

一方B to Bの場合、オープニングとクローズ程度は定型文があってもよいが、全体的には自分でトークを組み立てる必要がある。これは先にも申し上げた通り、電話によるルート営業的要素が非常に強いため、リレーション構築がアポイント取得や見込案件創出に重要なプロセスとなるので、紋切型のスクリプトではお客様との会話が続かないためである。また、1つのサービスや商品を提供するのではなく、お客様のおかれている現状をヒアリングしながら、複数のサービスや商品を「提案」しながらコンタクトを行うため、きまった形のスクリプトを用意出来ない。

これらの事を考えると、セールスアウトバウンドでのスクリプトの必要性が見えてくる。
B to Cのアウトバウンドでは、多くのリストを効率よく架電し、提供するサービスや商品の獲得率を上げてゆく必要がある。そのためには管理者サイドで予めトーク内容を組み立てておき、誰でもすぐに架電出来るような体制を作らなければ、数万件単位のリストの消化は出来ない。仮に退職者が出たとしても、教育研修機関を極力短くし、すぐに戦力としてセンターに投入して行かないと、クライアント要件が満たせない状況になってしまう。故にトーク内容を統一し、誰もが一定水準のトーク内容を話せるようにする必要がある。また、トーク内容を統一することで、CPH(コール・パー・アワー:1時間当たりの架電件数)のフォーキャストを多く見込む事ができ、より高効率の架電が可能になるため、スクリプトは必需品になる。

反対にB to Bのアウトバウンドでは、リスト数が前者の100分の1程度になるため、エージェントは同じお客様に最低でも月に1回は架電することになる。毎月お客様にお電話するのに、トーク内容が統一されたスクリプトで架電を行ったら、3回目の架電をする頃にはお客様に内容を覚えられてしまい、一切の聞く耳は持ってもらえないだろう。法人向けのアウトバウンドはルート営業と同様である事は前述したが、それ故にお客様とのリレーション構築と向上が必須となる。そのためにはエージェントが常に新鮮な情報を入手し、お客様との過去のコンタクト履歴を見返しながら、都度でトーク内容を考える必要がある。つまり、1回のコンタクトに「一期一会」の精神が求められるため、同じ内容の繰り返しが通用しない。よって法人向けアウトバウンドに求められるのは必ずしもトークスクリプト、ということではなく、トークの創造力が高いエージェントになる。(B to Bセールスアウトバウンドコールセンターのエージェント育成についてのコラムは、第4回「セールスアウトバウンドTrainerによる新人育成のあるべき姿」をご一読頂きたい)

同じアウトバウンドでも、コールの性質が違うことで働く人材が変わり、スクリプトの必要性にも大きな違いが出てくる。アウトバウンドコールセンターで働く管理者層は、自分たちのセンターに合わせてスクリプトの作成に着手するべきであろう。

■セールスアウトバウンドに適したスクリプトとは何か?

私の経験した中で、トレーナーが作成したスクリプトを丸読みさせているセールスアウトのセンターでは、B to CであれB to Bであれ数字が上がっているところは少ない。逆に最初はトレーナーが作成したスクリプトから始め、エージェントが成長してゆく中で独自に使っている言い回しやキメ文句などを自由に書き込ませ、「マイスクリプト」を作らせるようなセンターはコールの品質、数、獲得数など良い結果が出ているようだ。やはり、スクリプトに自らの言葉を使うことで、その言葉に対する責任も発生するし、何より、案件が成立した場合、人の言葉で成立するよりも自分の言葉の方が成功実感率が格段に違う。
また自ら言葉を創造することで、その言葉を創造するための知識を深めようとする、という別の効果も生み出す。つまり、お客様とコミュニケーションを継続的に行う上での商品知識を深め、より高い次元でのコミュニケーションを実践する手助けとなるのである。

上記のことから、実際の現場にてスクリプトを作成する場合、以下のようなスクリプトが適していると考えられる。

・B to Cセールスアウトバウンドコールセンター
先ずはセンター側(トレーナー、SV、リーダー)が作成した定型スクリプトを用意し、研修期間及び着座後数週間は徹底的に既成スクリプトで架電してもらい、その後に基本白紙のスクリプト(但し、幾つかの必要定型部分(オープニング、クロージング部分やその他必要な個所)は記載してあるもの)を渡す。そこに自分なりの言い回しや伝え方などを記載させ、「マイスクリプト」を作らせる。このエージェント達が作成した「マイスクリプト」は、トレーナーなどの管理者層がコピーを取り、エージェントの実力を分析する資料にもなる。機会があれば活用してもらいたい。

・B to Bセールスアウトバウンドコールセンター
トークスクリプトとして渡すのは、オープニングとクロージングで必要な定型文のみ。その他は全て白紙。但し、「何故電話の仕事なのにスクリプトが無いのか?」というエージェントの疑問を解決するため、その主旨を正確に伝え、納得感を持たせる必要がある。その上で、初コンタクトでのご挨拶、受付突破、担当部署でのトーク、キーパーソンの見つけ方など、セールスアウトバウンドにおける様々なシチュエーションでのトークのコツを徹底指導する。その後、渡した白紙スクリプトにそれぞれのスクリプトを書かせ、それを個人の基本スクリプトにさせる。

上記のような形態のスクリプトは、適切な展開とAGの意見や希望を取り入れることで、センター内に活気をもたらし、AG同士の情報交換の機会を増やす。結果、自然にスクリプトはブラッシュアップされ、それが継続することでトーク品質も、数も強いセンターが構築される。トレーナーはスクリプトを作成する際、自分のセンターが個人と法人どちらが対象であるかを考慮し、そのコール主旨に合ったスクリプトを作成すると良いだろう。


                                     

井口大輔
1973年東京生まれ。
セールスコミュニケーション、チームコミュニケーションなど、営業を主体としたコミュニケーション研修を得意とする。18歳から6年に渡る留学生活を活かし、帰国後は販売業、営業などを経験。法人向けセールスアウトバウンドでは、セールスプライズを受賞。その後そのコミュニケーション力を認められ、大手テレマエージェンシーにて、セールスアウトバウンドトレーナーに従事…
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セールスアウトバウンド-Trainerによる新人育成のあるべき姿

■セールスアウトバウンド(※)Trainerによる新人育成のあるべき姿

(※)セールスアウトバウンドとは、顧客リストを元にコールセンター側から電話をして、調査を行ったり、プレゼンテーションのためのアポイントをとるなどの販促活動を行う業務。 セールスアウトバウンドは主にB to BやB to Cがある。

★営業を主体とし、センター側から顧客へ発信をし、コミュニケーションを取りながら売上(販売)に繋げてゆくコールセンター業務を「セールスアウトバウンド」と言う。クライアントとのSLA(サービス・レベル・アグリーメント)がアポイント取得件数や案件創出件数であったりするため、結果が数字に如実に表れ、他のエージェントとの差がハッキリと見えてしまうがゆえに、エージェントが潰れやすく、人材が育たないという話を良く聞く。そのためエージェントの育成に頭を悩ませているセンターも多い。
セールスアウトバウンドのコールセンターでトレーナーとなる人材は、エージェントの心の機微を捉え、適切な育成をする必要があるが、トレーナーはどの様な心構えで育成にあたるべきなのだろうか?今回から3回に渡り、セールスアウトバウンド・トレーナーにあるべき姿について書いてみたい。

■セールスアウトバウンド・トレーナーが陥る罠

セールスアウトバウンドのトレーナーとなる人材は、大抵がそのセンターで長期に渡り安定した売り上げ(アポイント、見込案件)を出してきたエージェントが就任する事が多い。しかし実際にトレーナーとして新人の指導育成にあたると、思ったように人材が育たず、研修期間の間に大半が離職してしまうというのもよく聞かれる話だ。その原因は一体どこにあるのだろうか?トレーナーは自分が出来ていた事を中心にカリキュラムを作る。つまり自分の成功体験を基として指導育成にあたる。実はここに大きな罠が仕掛けられている。

トレーナーが作成するカリキュラムはトレーナーがエージェント時代に成功した事例を中心に組み立てるため、どうしても主観になりがちだ。実はココが罠なのだ。話の運び方や案件の温め方、アポイントへの持っていき方など、「トレーナーの成功体験」をそのままアウトプットするため、ともすればイケイケな研修内容になってしまい、新人エージェントは「最初からこの通りにやらなければいけないんだ」と不安に陥ってしまう。実際はトレーナー自身も最初から出来ていたわけではなく、時間を掛けて、自分なりのノウハウを積み上げてきたにも関わらず、だ。
このような形でエージェントが不安感を持ってしまうと、ここからのリカバリーは容易ではないということは、想像に難くないだろう。

もちろん、トレーナーが自らの成功体験を踏まえたテキストの作成や指導をすることは必要であるが、それが全てであるという事はない。トレーナーは、新人の指導育成にあたる際、まずは一度、自分自身が新人だった頃を思い出し、自分がアポイントや見込案件を創出するにあたり、どのような事から着手したのか、どのような苦労があったのかを思い出し、その上で新人がアウトバウンドコールに必要な基本部分(例えば製品知識、基本トーク、セールスアウトバウンドの歴史、営業トーク・・・等)を教育すると良い。
特に新人は何につけてもナーバスになりがちだ。トレーナーはその緊張を解す意味でも、自分が最初の頃に失敗した時の話などを研修内容に盛り込み、「誰でも最初は上手くいかないものなのだ」という事を教える必要がある。

私が以前、セールスアウトバウンドセンターでトレーナー職に従事していた時、新人に対して話していたエピソードの一つで、「ひしゃく事件」というものがある。これは、とある外回りの営業職に就いていた時、「銀座の飲食店全てに、Web広告のパンフレットを渡してくる」というものがあった。全ての飲食店というからには当然、バーや居酒屋、果ては立ち食いソバ屋にも渡さなければならない。

ある時、私が飛び込んだ立ち食いソバ屋で、いつものようにパンフレットを渡そうとした時、店の主人から「こんな立ち食いソバ屋がWeb広告なんて載せると思ってんのか!!」と物凄い剣幕で怒鳴られ、ひしゃくを持った店の主人に数百メートル追いかけられた事があった。結構大きく、長いひしゃくだったので、「あれで引っ叩かれては敵わん」と全速力で逃げた覚えがある。

新人研修でこのエピソードを話すと、エージェントの気持ちは一気に和み、アウトバウンドに対する不安や、最初から数字を狙わなければならない、といった新人特有の強迫観念を取り除くことが出来る。なぜなら、「最初はだれでも失敗するのだ」という実体験をトレーナー自らの体験談で伝える事が出来るからだ。そしてこのタイミングで業務に対する興味付けを行う事で、エージェントの研修に対する姿勢や研修内容の腹への落ち方が違ってくる。
したがってトレーナーは自らの成功体験よりも、自身の新人時代を研修初期に盛り込み、新人の緊張や不安を解きほぐすことから始めると良い。

■新人は百人百様

センターに配属される新人たちは性別はもちろん、個々の性格やバックグランドまで百人百様だ。多くのトレーナーはそれを忘れ、「この通りにやればいい」としてしまっているケースがよく見られる。しかしセールスにおいて「王道」はあるが「絶対」はない。それはアウトバウンドセールスでも同じことだ。セールスの指導育成を行うにしても、個々の特性をある程度見分け、アポイント系や見込創出系などに分けた指導を行うべきである。

一般的に新人はアウトバウンド自体に不安を持っている事が多くある。面接において、「このコールセンターは発信をするセンターである」旨を説明していても、新人は漠然としたイメージしか持っておらず、実際にセンターに配属され、先輩エージェントが架電している姿を見た瞬間に「しまった・・・」と思うことも少なくない。
故にトレーナーは、「新人は全てナーバスな心理状態にある」と仮定したうえで、エージェントと接するべきである。トレーナーを含めた管理者層は、元気がよく、溌剌としたエージェントが配属されるとつい、期待をしてしまうものである。しかし新人は実はカラ元気でいるかもしれない。反対に比較的おとなしい印象の新人が、実は高いポテンシャルを秘めているかもしれない。つまり、配属された直後では、新人たちの本当の姿は見えてこないということだ。

当然、センターとしては数字を出さなければならないため、少しでも早く架電を行い、センターに貢献して欲しいというのが本音であろう。しかし、本当に新人をエージェントとして育てたいのであれば、研修初期段階で各人のキャラクターを把握出来るようなカリキュラムを組みこんで欲しい。
実際に筆者がトレーナーを務めていた際は、研修初日は一切の座学研修を行わず、ディスカッションやグループワークなどのオリエンテーションのみに時間を割いた。これにより各新人の以下の能力が見えてくる。



・コミュニケーション能力
・与えられた課題(ミッション)に対する理解度
・与えられた課題(ミッション)に対する実行力
・リーダーシップ
・チームワーク(仲間意識)
・論理的思考力
・性格のタイプ

トレーナーは各新人の能力を判断し、まずは基礎的な座学研修を始める。その後、トライアルの架電を行わせ(まずはトレーナー自らがお手本となり、数本のコールを実施し、それをモニタリングさせる)、それぞれのコールの特徴を把握し、それぞれの最も良い部分から伸ばしてゆけば良いのである。

「研修にそこまで時間はかけられない」という声が多く上がりそうだが、頻繁にエージェントが退職してしまうセンターでは人が育たないばかりでなく、ナレッジも蓄積されない。それではクライアントからの要件を満たすどころか、センターの解散という事態にもなりかねない。
新人の特徴を捉え、適切な指導育成を行うことが、最終的にセンターの存在価値を高める事に繋がるのである。

■トレーナーに求められるマインド

セールスアウトバウンドは「決まった内容を話していれば良い」、というマニュアルライクなものではなく、エージェント一人ひとりの自主性や個性が毎コールに現れる仕事だ。そのエージェントを育成するトレーナーに求められるマインドは、「クライアント要件を満たすエージェントを育てる」事ではなく、「どこのセールスアウトバウンドセンターに配属されても、商品研修を受けるだけですぐに結果が出せるエージェントを育てる」事だ。すなわちそれは、「コミュニケーション能力が高いエージェントを育成する事」であり、いくら緻密なカリキュラムが組まれていても、トレーナーのマインドが単に発信件数や受注率のみにあり、コミュニケーション能力の開発に対する意識が低ければ、数字追いのみしか出来ないエージェントにしか育たない。

トレーナーは、エージェントが常日頃からコミュニケーションが取りやすいポジションにいる必要がある。つまり「近く、頼れる存在」でいるべきだ。
特に新人の場合、現場にも業務にも不慣れな状態で、毎日、緊張と戦っている。このような状態のエージェントと接する場合、トレーナーから能動的に声を掛けてゆき、「常に見ているよ」というメッセージを送る。実際の悩みの解決には至らなくとも、打ち明けられる存在が近くにいるだけで、エージェントは気力を回復するのだ。
単純に思えるが、このような事を根気よく、繰り返し行ってゆくことで、自然と新人同士でのコミュニケーションが活発になり、周りの先輩エージェント達もそれに触発されて、声を掛け始める。これは一見すると能力開発に思えないかもしれないが、セールスアウトバウンドにおいて、最も重要な能力は、コミュニケーション能力であるため、日頃からセンター内でのコミュニケーションが頻繁に行われているセンターは、実際のコールでもお客様とよいコミュニケーションが取れている。
そしてそれを促すように仕向けてゆくことで、新人エージェントのみならず、先輩エージェントのコミュニケーション能力の開発になってゆくのである。
トレーナーは日頃から、自らが率先して周りとコミュニケーションを取ってゆく積極性がなければ務まらない。この意識が低いまたは持ち合わせていない人は、セールスアウトバウンドのトレーナーは向かないだろう。
トレーナーとは、センター全体の人材育成の要であり、センター内のコミュニケーションのハブである。これがトレーナーに求められるマインドであり、このマインドこそが、トレーナーをトレーナーたらしめるものなのである。

                                     

井口大輔
1973年東京生まれ。
セールスコミュニケーション、チームコミュニケーションなど、営業を主体としたコミュニケーション研修を得意とする。18歳から6年に渡る留学生活を活かし、帰国後は販売業、営業などを経験。法人向けセールスアウトバウンドでは、セールスプライズを受賞。その後そのコミュニケーション力を認められ、大手テレマエージェンシーにて、セールスアウトバウンドトレーナーに従事…
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新入社員に必要な-ビジネスにおけるコミュニケーション研修

■新入社員が陥りがちなコミュニケーション不足

新入社員が陥りがちなコミュニケーション不足を例に挙げていきたい。
突然だが、次に挙げる返答において、返答する側に不足しているものは何だろうか?
前後のシチュエーションや環境が分からないので、少々難しいかもしれないが、ただ単にこの受け答えをみて、何かを感じて頂きたい。

・それは知りません
・その件は先ほど電話でお伝えしました
・それは先日お話したことです

いかがだろうか?
まず一番最初に感じるのは、先方に「失礼である」という点だが、ビジネスにおけるコミュニケーションでもっと重要な不足点がある。

一つ目の、「それは知りません」についてだが、不足しているものは「聴くこと」だ。
ビジネスにおいて、「それは知りません」が通用するようなケースはごく稀であろう。通常はそのようなことが無いように、事前に確認を取るなどをして、先方に「聴く」ことをする。

二つ目の、「その件は先ほど電話でお伝えしました」に不足しているものは「伝えること」である。もし先方にきちんと話が伝わっていれば、このような受け答えをする必要はない。この場合、こちらが伝えるべき内容が相手に届いていない事が分かる。

最後の「それは先日お話したことです」は、「先方に対する配慮」が不足している。このようにピシャリと言い切ってしまうことで、コミュニケーションは打ち切り、つまり終了してしまう。このような言い切りをしてしまうよりは、「先日お話させて頂きました通り・・・」と先方にリマインドするくらいの配慮が欲しい。

これら3つの例のように、自分の考えが相手に伝わっていなかったり、自分が相手の考えを理解できていなかったりでは、結果としてコミュニケーションが成立しているとは言えない。相手の話を本当に理解できたか、こちらの話を相手に理解してもらえたか、話の隅々までしっかり伝わっているか、これらは全て「結果」になる。
ビジネスにおけるコミュニケーションでは、この「結果」が全てとなる。ここを疎かにすると、大きなビジネスチャンスを失う事にもなりかねない。

■新入社員にも最初からビジネスにおけるコミュニケーションスキルがある?

一般的に企業の新入社員研修では、挨拶、名刺交換のやり方、会社の組織や各部の業務内容などの研修を行うが、コミュニケーション研修というのはあまり行われていない。あってもせいぜい、「報告・連絡・相談」を忘れるな、という、研修の中の10数分程度のものだ。
これは企業側が、「コミュニケーションは出来て当たり前なので、あえて特別に研修を行う必要はない」と捉えているからに他ならない。
しかし、ついこの間まで学生だった新入社員に、いきなりビジネスにおけるコミュニケーションスキルがあると考えるのは些か早計ではないだろうか。
彼らは面接などに通用するコミュニケーションは対応マニュアルなどで知識を得ているが、社会人として必要なビジネスにおけるコミュニケーションについては殆ど知らないのではないだろうか。
学生の時は、アバウトなコミュニケーションでも成立できた。しかしビジネスの世界(特にサラリーマン)ではまず通用しない。だからこそ、最初の段階でビジネスにおけるコミュニケーションとの違いを教育する必要があるのだ。そしてその違いこそが、社会人と学生との大きな違いである事を認識させ、幾度となく失敗を繰り返すことで成長を促せる。ビジネスにおけるコミュニケーションには「結果」が伴うこと、これは新人には思いもよらない事実だ。コミュニケーションは教育の一環として重視すべきであり、今までとの違いを体験させ、少しずつでもそれを実行させる事で、よりビジネスシーンに通用する新入社員が育っていく。

新入社員向けのビジネスにおけるコミュニケーション研修は必要であり、最低でも3時間、出来れば終日(8時間)は費やしたいものだ。

                                     

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セールスコミュニケーション、チームコミュニケーションなど、営業を主体としたコミュニケーション研修を得意とする。18歳から6年に渡る留学生活を活かし、帰国後は販売業、営業などを経験。法人向けセールスアウトバウンドでは、セールスプライズを受賞。その後そのコミュニケーション力を認められ、大手テレマエージェンシーにて、セールスアウトバウンドトレーナーに従事…
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ビジネスにおけるコミュニケーションとは

我々は日々、他者とコミュニケーションを取る事で社会を形成しています。我々の社会で形成される最も小さな社会とは、「家庭」です。その名の通り、家の中だけで形成される社会ですので、関係する他者は全て親兄弟などで構成されるため、我儘や甘えなどの寛容度は高いです。
しかし、これが一歩外へ出ると話が違います。家庭から一歩外へ出るとそこは「公(おおやけ)」となり、出会う他者のほぼ全てが自分とは生まれも育ちも違う環境にいるため、家庭のような我儘や甘えなどは許容されません。最悪の場合は「犯罪者」として逮捕され、何かしらの制裁があります。それが、「社会」です。
そして、我々が家庭以外に最も身近に帰属する社会である「会社」では、日々業務を遂行するために、様々な他者が集まります。

今回は、この「会社」の中におけるコミュニケーション、つまり「ビジネスにおけるコミュニケーション」にフォーカスを当ててみましょう。


■■ビジネスにおけるコミュニケーション

今回のタイトルにある「ビジネスコミュニケーション」、色々なところで聞く言葉ですが、私は以下のように考えます。
“ビジネスにおけるコミュニケーションとは、『大きな価値を創造するための手段』である”

例えば、現代ではインターネットの普及により、ホームページを立ち上げ、自分が探してきた世界中の面白い品々を販売する事が可能です。インターネット上の様々な特性を利用した新たなビジネスアイデアを展開し、一人で起業する事も可能です。規模は小さいとしても、ビジネスとして一人でも出来る規模です
しかし、一人で行うビジネスは、一人で出来る事に範囲が限定されてしまうので、自ずと限界が見えてきます。ですから「大きな価値の創造」というところからは外れてしまいます。それではここに仲間が加わり、それぞれが得意な分野を持ち寄り、それを集合させ、精製してゆくとどうなるでしょう?仲間は意見やアイディアを出し合い、1のものを10へ、10のものを100へと進化させる方法を生みだすでしょう。
そして、それこそが大きな価値へと繋がって行きます。大きな価値が付与されたものは、大きなビジネスへと変貌を遂げ、そのビジネスの内容が前例になく且つ、社会に受け入れられる事で更に大きなビジネスへと変化する。これが「大きな価値の創造」なのです。
この価値を生み出す作業こそ「ビジネスにおけるコミュニケーション」になるのです。

皆で知恵を出し合い、より大きな価値を創造する。
その為には意見の食い違う場面もでてきますし、言い争いに近いような議論を交わさなければいけない時もあるでしょう。
しかし、それこそが正にビジネスにおけるコミュニケーションであり、コミュニケーションがない会社では大きな価値の想像はできません。

ビジネスにおけるコミュニケーションとは価値の創造です。その価値の創造は、従業員の利益、お客様の利益、会社の利益、社会の利益に繋がります。どちらか一方が心を閉ざし全く協力をしなければ、それはビジネスではなく単なる「ごっこ」になってしまいます。

ビジネスを行う上でのコミュニケーションとは、社内外の人々の力を借り、また自分も社内外の人々に力を貸す事で成り立つものです。
普段あまり意識しない部分ではありますが、自分の成功体験を思い出してみると、実に様々な人が、様々な意見を出し合いながら進めていったと思います。そしてその成功体験が積み重なって、社内外問わず大きな価値に変貌を遂げていないでしょうか?何も新聞に載るようなものだけが大きな価値というわけではありません。
仕事がスムーズにいくようにする、お客様に喜ばれるサービスを提供する、どれも全て大きな価値です。普段皆さんが何気なく社内外の人とお話をしている時、その話の一つ一つが大きな価値の創造へと繋がる第一歩であると意識してみましょう。
それが「ビジネスコミュニケーション」です。

                                     

井口大輔
1973年東京生まれ。
セールスコミュニケーション、チームコミュニケーションなど、営業を主体としたコミュニケーション研修を得意とする。18歳から6年に渡る留学生活を活かし、帰国後は販売業、営業などを経験。法人向けセールスアウトバウンドでは、セールスプライズを受賞。その後そのコミュニケーション力を認められ、大手テレマエージェンシーにて、セールスアウトバウンドトレーナーに従事…
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そもそもコミュニケーションとは何か

昨今のビジネスシーンにおいて、社員同士のコミュニケーション不足は、全体的な業務パフォーマンスの低下に繋がっている、という声を聞くことも少なくない。そもそもコミュニケーションとは何か?今回はコミュニケーションについて深く掘り下げてみましょう。

筆者がコミュニケーション研修を開始する際、まず1番初めに受講生に必ず質問する事が、タイトルにある“コミュニケーションとは何か?”という事です。
読者の皆様は「コミュニケーション」と言われた時、どのようなものを想像するだろうか?
まず真っ先に浮ぶ答えは「会話」でしょう。そのほかにも、ボディランゲイジ(手話なども含む)や文章(メール等)があり、なかには音楽や芸術もコミュニケーションの1つと答える方もいるでしょう。
しかし、上記に挙げたものは「コミュニケーション」でしょうか?いいえ、違います。上記にあげたものは「コミュニケーション」を行うための「手段」に他なりません。コミュニケーションの意味は端的に言うと「意思の疎通」であり、私達は、これらの手段を用いて、相手と“コミュニケーション“を図ります。

それでは、「意志の疎通」を図るとはどういう事だろうか。ここではコミュニケーションの手法の一つである「会話」を例にしてみよう。
通常会話を主体としたコミュニケーションには、対面や電話がある。今の時代であれば、音声チャットやテレビ会議システムも入る。相手と会話をしてコミュニケーションをとる場合、最初は相手の身なりに注目し、それから挨拶に入る。そしてお互いに住まいや趣味などの情報を交換し合い、共通点を探す。この時出てくるのが、相手に対する「印象」だ。つまりコミュニケーションの入り口とは、お互いの印象の交換になる。そして印象の交換をし合う事で、そこに下記のようなバイアスがかかります。

○ 好印象 または、× 悪印象

“好印象”であれば、当面のハードルはクリアされるわけですから、少なくとも相手に対して失礼な事がなければ、その後のコミュニケーション(=意志の疎通)は上手く行くでしょう。相手はあなたに対し“好印象”を持った訳ですから、相手はあなたの話に耳を傾けるでしょう。つまりは、相手があなたの言っている事の意味を汲み取ろうとします。それにより、あなたの意志は相手に伝わるわけです。
反対に、“悪印象”だった場合、最初からマイナスのバイアスがかかるので、どれだけ懸命に伝えたところで右から左、聞き流されてしまいます。相手は心の扉をほんの少ししか開けてくれないので、あなたの意志は伝わらなくなります。それどころか、変に邪推されてしまうケースもありえます。
ですから通常、相手と初めてコミュニケーションをとる場合は自分と相手との共通点を探し、相手に良い印象を与えようと「交換」をするわけです。そして、コミュニケーションはこの印象の交換を積み重ねてゆく事で成立し、相手と意志の疎通が行えるのです。

■コミュニケーション~実践編~

我々は言葉や体を使い、他者と様々なコミュニケーションを取ろうとします。我々は群れをつくる動物ですので、コミュニケーションは必須なものです。しかし、コミュニケーションを会話や文章である、と捉えてしまうと、成立はしません。
「相手を知り、自分を相手に知らせる=意志の疎通」を行う事が、本当のコミュニケーションの意味です。そして、意志の疎通をスムーズに行うために、我々は相手との「印象の交換」を行い、それを積み上げる事で意志の疎通が成り立ってゆきます。
もし、あなたが普段から人に、「怖い人だ」とか、「いい加減なヤツだ」など、マイナスな印象が根付いていると感じるならば、今から印象を変えてみるべきです。すぐに結果が出るものではありませんが、例えば一緒にランチに行く、仕事帰りに飲みに行くなどをして、接点を作りましょう。そして少し普段とは違う話をすることで、相手はあなたに対してまた違う「印象」を持つ事でしょう。そしてそれが積み重なっていった時、今までとは違った「意志の疎通」が成され、本当の意味でのコミュニケーションが成り立っていく事でしょう。

是非、お試しください。
                                     

井口大輔
1973年東京生まれ。
セールスコミュニケーション、チームコミュニケーションなど、営業を主体としたコミュニケーション研修を得意とする。18歳から6年に渡る留学生活を活かし、帰国後は販売業、営業などを経験。法人向けセールスアウトバウンドでは、セールスプライズを受賞。その後そのコミュニケーション力を認められ、大手テレマエージェンシーにて、セールスアウトバウンドトレーナーに従事…
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