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サービスイノベーションへの挑戦 vo.6

2010 年 6 月 24 日

モニタリングは新たなるKPI指標を生み出す

 最終回は、モニタリングの成果が秘める可能性について話しましょう。モニタリングイズムのことは前回の掲載で説明しましたが、業務における姿勢が整うと自ずと多くの成果をもたらします。特に漫然としたセンターKPI(コストKPI)には大きな改革をもたらす可能性も秘めているところです。モニタリングの担当者は、ついつい点数をつけることに注力しがちです。さらに言えば、そのことをフィードバックすることに懸命になっています。しかも、フィードバックの中身というよりは、フィードバックを対象者全員に完了することを使命としているのかもしれません。平均時間で言えば、30分程度の面談です。個人スキルをどのように成長させるのかという課題を抱えながら面談をしていることでしょう。

 ですが、モニタリングの担当者が率先垂範力に優れ、モデル提示を交えながら、具体的な改善手法を教育できるセンターが少ないことも事実です。現場の基本的な応対能力が向上することは、現場施策が面白いように実現できるということでもありますから、もっともっとモニタリング担当者の実力アップを期待したいですね。では、どのようにしたらよいのか?毎回、お話をしているところですが、応対技術を顧客心理、コンサルテーション、問題解決等の手法やスキルを具体的に導入することがもっとも効果的です。勘ピュータではなく、理論に基づいた指導ができることが何よりも大切なのです。それが実現できると、
応対のゴールを自己評価できるようになります。このことがセンターのサービス改善にとっては有効なステップとなり、センター運用に関する情報発信の役割を担うことにもつながります。

 このようなモニタリングのミッションに気づき、成長を重ねていくうちに、モニタリング担当者とセンターマネジメント担当者は、ある事実に気づきます。それが、「コールセンター体験価値」です。これは、コールセンターの存在証明でもあります。私たちはコールセンターの必要性を疑ったことがないでしょう。ところが、センターはその本来の業種によるところではありますが、音声応答のボリュームを増やしたり、WEBサービスへの誘導を図りつつあります。また、通販ビジネスなどでは、アウトバウンドコールに代わり、携帯モバイルを活用した「コミュニケーションの場づくり」を進める企業も出てきたのです。すべてはコールセンターの業務範疇であると考えている企業もおありでしょうが、ヒューマンサービスよりも繊細な心のストレスリスクの少ないITコミュニケーションを選んでいると考えればよいことです。

 そこで、このコールセンター体験価値という指標が重要になるのです。センターに問い合わせをした際に、事前期待度と事後期待度がどのように変わったのかを測定し、見える可することです。この作業には、指標軸の設定に数理的な能力が必要になります。顧客の抱く事前期待度のレベルと事後期待度のレベルを組み合わせしながら、数値化していくのです。さらに、感情評価指標の策定もしなくてはなりません。簡単に言えば、「この表情や言い回しは、怒っているのか、喜んでいるのか」という捉え方を数値化するのです。この指標は企業が発想する「顧客体験」に類似するところでもありますが、簡単に言えば、コールセンターへの満足度調査を全通話に対して行うことができるということです。ここまで説明すると、「とはいっても事案の難易度によって、不満足回答もやむなし」という声をあげたくなる方も多いことかと思います。しかしながら、初動の期待度を低く評価しておくことができれば、センター自体の満足度は事前期待度をクリアできる、特筆すべき事象を発見することで適正評価となりえます。サービス全体の満足度や不満足度反応はVOCの分析により集積するところです。それに加えて、コールセンター自体の「顧客にとっての価値」を評価することが経営層の必要とする情報でもあるのです。

 いずれにせよ、モニタリングは、顧客の感情部分に及ぶレベルまでの分析力と気づきを求められる時代へと進んでいます。つまり、コールセンターを活用したビジネスモデルとして捉えることがコールセンターマネジメントには不可欠になり始めたのです。コールセンターのさらなる進化と変革に大きな期待をもって、次代を楽しんでいきましょう。
 


石川かおる
K&Iパートナーズ・グループ 代表 Chief produce Officer
成城大学法学部卒業。
大学卒業後、営業職として企業に勤務。サービス人材育成プログラムの作成や新設部署の立ち上げなどを行う。退職後、幅広い営業活動、社内教育の経験を生かし、株式会社オフィス石川を立ち上げ、講師として活動。年間登壇回数は平均200回に及ぶ。財団法人日本電信電話ユーザ協会契約講師。
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著者:@コールセンター.JP編集部

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