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研修とOJTを組み合わせた「2STEPトレーニング」の薦め

2010 年 6 月 10 日

コールセンター運営の最大の鍵、「人材育成」について考える

【第一回】 研修とOJTを組み合わせた「2STEPトレーニング」の薦め

コールセンター運営コストの8割を占めるといわれている人件費。昨今、不況の影響下においては、どちらのセンターもより一層の効率や品質への取り組みが迫られています。そのような中で鍵を握るのが人材育成。スキルアップにつながらない教育は、品質改善や人材の定着に貢献することが難しく、それこそが教育費用の無駄づかいと言えます。「実践力が身につく研修がしたい」、「OJTをもっと有効的に活用したい」、「コストの観点から、内製化を進めていきたい・・・」。どちらのセンターにおいても聞かれる声ではないでしょうか。このコラムでは、コールセンターにおける人材育成についての考え方や具体的な実施方法についてご紹介します。

1.現在のコールセンターにおける人材育成を取り巻く環境の変化

 ここ数年の不況下において、人材育成もまたコスト削減を迫られています。まずは、研修時間の短縮が一番わかりやすい例ですが、そのことは現場への大きな負担になっています。ミニマムの研修で新人が現場に投入されるため、担当SVはそのフォローに負われ、本来の仕事である品質管理などに手が回らなくなってきていると言います。また、外部への研修の委託を減らし、内製化を加速させているセンターもありますが、社内のトレーナーだけで、従来の教育の質を維持できているセンターは多くありません。にもかかわらず、コールの質の低下や現場SVの疲弊などは認識しつつも、当面はまだこの傾向が続くことが推測されます。

また、不況とは別の要素として、昨今、複数のアウトソーサーによる運営や複数拠点においてのトレーニングのあり方についても、見直しの対象となっているケースが多くあります。現在は、各会社や拠点が主体となってトレーニングをしているものの、その内容や質にばらつきがあり、当然ながら、それに比例してコールの質がなかなか安定しないという課題があります。市場通信では、クライアント(発注社)側とアウトソーサー、本部と拠点の役割分担を明確にした上で、教育の観点から重要な要素については中央で管理、コントロールすることをお薦めしています。

2.研修はインプットの場とOJTは定着の場と位置づける「2Stepトレーニング」

研修で学習したことが、その後、実践の現場でどれだけ生きているのか?
実際は、研修のほんの数時間でレベルをぐんとアップさせることは難しいのが現実です。
そこで、市場通信では、研修を「Inputの場」、OJTを「定着の場」として明確に位置づけ、研修とOJTを一連のしくみとして捉え、それを実践して高い効果をあげています。

「OJTでフォローする」は当たり前すぎて「そんなこと?」と思われるかもしれませんが、実際に現場SVはトレーニングの内容をどれほど深く理解し、自分の言葉で指導することができるのでしょうか。また、現場ではトレーニングの内容を踏まえたフォローが果たしてどれぐらい行われているのでしょうか?

肝心なのは、研修で学んだことを、その翌日から約2週間程度の間に繰り返しのフォローをすることによって、コミュニケーターの体や意識に刷り込みをしていく作業が大切なのです。そのことで始めて、コールの質と学習したことが発揮できる頻度の両方があがってくるのです。

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3.各組織の役割と責任範囲の明確化

これまでにいくつものセンターをみてきていますが、残念ながら、トレーニング担当と現場SVの担当間で協力や情報交換をしながら取り組めているケースは少なく、それぞれが「もっときちんとやってくれればいいのに」と思っている場合も少なくありません。

私どもが提唱する「2Stepトレーニング」では、トレーニング担当と現場の担当間でゴールや役割配分が共有し、双方が一連の業務として捉え、協力体制が取れるようなトレーニング設計をします。

大切なことは、教育計画を検討する段階でトレーナーと現場SVの役割分担と具体的な業務をきめ細かく設計することです。研修の場は時間的な制約も多く、効率的な学習が求められますので、学習内容を質、量ともに高いレベルに持ち上げていくのは、OJTの役割となります。このように、研修からOJTまでの流れが一枚の書類としてまとめられ、それぞれがそれに従って事前準備を進めることが重要なのです。

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研修(Inputの場)では、主に、(1)概念の理解、(2)必要スキルの理解、(3)理想コールのイメージ共有、(4)実践練習までが目的となります。研修テーマを理解し、その理想コールをイメージした上で、いくつかの想定ケースで練習するといった内容となります。

一方、OJTの場では(1)承認やねぎらいによるフォロー、(2)朝礼などでトレーニング内容のポイントの繰り返し、(3)実行状況の把握とフォロー(個人、グループ)、(4)ロープレなどによるフォロー、(5)良いコールなどの実際の音声視聴による学習、(6)成功・失敗体験の共有、といったように現場での実践ができるよう、ありとあらゆる対策を講じていきます。ここで重要なのはリアルタイム性です。「鉄は熱いうちに打て」といいますが、まさにその言葉通りで瞬間瞬間を捉えて、フォローをすることがポイントです。

某センターで「2Stepトレーニング」を実践したチームは、他の研修のみを行ったチームと比べて、その学習の定着レベルが非常に高い結果が出ています。また、研修担当と現場SV、現場SVとコミュニケーターの日常のコミュニケーションも深くなり、センターとしてのモチベーションアップにも貢献をしています。

今回は「2STEPトレーニング」の考え方を整理してきましたが、次回からは、より効果がアップするトレーニングの実施方法についてふれていきます。


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石橋 由佳

著者:石橋 由佳

http://www.callcenter.ne.jp/

電話コミュニケーションのスペシャリスト「市場通信」が、コールセンターを変える。

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