2010 年 5 月 20 日
コンタクトセンターの人材育成
「人材育成」をテーマとしてご紹介する第二回は「スキル」について考えます。
そもそも、「スキル」ってなんでしょう。いわゆる「和製英語」として、さまざまな解釈で私たちは「スキル」という言葉を使用しているようです。
ちょっと、整理していきましょう。
職業能力の要素分解
コンタクトセンターに限らず、企業における人材育成で分類、検討されるべき「能力」とは、もちろん「職務遂行に必要な能力」のことです。
職務遂行能力(一般に「職業能力」)は、「スキル」より大きな意味合いになります。
最初に整理してみましょう。
「職業能力」はさまざまな学説があり、それぞれがもちろん納得のいくものです。しかし、現場で人材育成を担当する私たちはいくつも研究している暇はありませんよね。
今回は、シンプルで整理しやすい分類を使用して検討してみましょう。
「職業能力」の分類方法の一つに「KSA」という方法があります。
「KSA」は以下の頭文字です。
K:Knowledge(知識)
S:Skill(技術、技能)
A:Attitude(態度)
たとえば、「電話対応の能力」ひとつとっても、さまざまな要素があります。単に「電話対応スキル」と称してしまえば、いろいろなことがこの中に包含されてしまい、必要な育成要素が洗い出しにくくなりますね。
「KAS」を使って考えてみましょう。
電話応対に関す知識(K):ビジネスマナー、敬語、商品知識、サービス内容、関連部署..
電話応対に関する技術(S):マナーや敬語の実践、わかりやすい説明、インフラ操作…
電話応対に関する態度(A):傾聴する態度、サービスマインド、責任ある対応...
このように、分類することで、社内教育はより実施ポイントがつかみやすくなります。

職業能力の分類結果の活用
上記の「KSA」を役割もしくは職務単位に設定しておくことにより、教育にとどまらず、さまざまな活用が期待できます。
人材育成は採用から始まるといわれますが、「採用」時に必要なKSAが明確になっていれば、採用担当者ごとにブレることなく面談が実施できます。また、「こんなはずじゃなかった」という、採用後におこる「ミスマッチによる早期退職」を防ぐこともできます。
一般的に成人教育(大人を教育すること)では、「知識」は学習すればつくが、「技術」「態度」は育成が難しいとされています。採用条件として「知識」よりも「技術」「態度」を重視することで、入社後の教育工数を削減することも可能なわけです。
職務ごとに「必要な能力分類」を提示すれば、それはそのまま「キャリアパス」にもなります。
また、この分類はそのまま「評価」の項目としても使用可能です。分類ごとにレベル設定をしておけば、より納得性のある体系的な評価項目になります。
効果的な社内教育
現場教育が不可欠のコンタクトセンターでは、部門内教育の工数はばかになりません。社内教育は「OJT、Off-JT、SD(自己啓発)」のなかからいずれかの手段を使用します。
知識項目(K)は学習が有効です。すなわち、Off-JTによる集合研修での講義やテスト、e-ラーニングによる自己学習などの手段で学習効果が得られるものです。これに対し、技術(技能)項目(S)は訓練が必要です。インプットである「知識」に対し、「技術、技能」は発揮できなくては意味のないアウトプットだからです。私たちがよく使用する「ロールプレイング」は理にかなった教育方法といえるわけです。
このように、コンタクトセンターに必要な「能力」は、一言で「スキル」と片付けずに、きちんと分類しておくべきです。「能力分類」はセンター内のさまざまな職務運営に影響を与えます。
職務単位の明確な能力分類とレベル定義をお勧めします。
![]() |
浮島由美子 Y’sラーニング株式会社 代表取締役 ・埼玉県立浦和第一女子高校、私立学習院女子短期大学卒。 ・2005年5月Y‘sラーニング㈱設立。代表取締役。 コミュニケーションおよびマネジメント研修を中心に活動中 詳細はこちらから 【最新の記事】 global $post; ?> ![]() 関連の投稿新着ニュースニュース一覧へ
@コールセンターではコラムを執筆していただけるパートナーを募集しています。 |












