サービスイノベーションへの挑戦vo.5
第5回
【モニタリングイズムを知ろう】
新たなる仮説を発見する「気づき」がセンターパワーになる
~今回はモニタリングを楽しく、前向きに取り組むための「モニタリングイズム」について、お話をしましょう。~
「イズム」というのは大袈裟かもしれませんが、一日中「音源」を聴くことが仕事になっている人にとっては心のよりどころになるかもしれません。私の会社では、モニタリングではなく、モニタリング評価と呼んでいます。モニタリングは実音源を聞き、現状を知るというのが主な業務目的です。モニタリング評価は一定の評価指標を基準に、現実がどのような状況であるかを測るものです。「モニタリングイズム」とはモニタリング担当者がビジネスに直結するアイデアを発見し、実現可能性と効果・成果を提案する業務指針を目指すマネジメントポリシーです。
①生活感性②ビジネス知性③社会素養④発見力
の4つの能力が、顧客対応をモニタリングする上では必要です。この能力を十分に発揮すれば、音源から掴める事象、事実からビジネスに直結するアイデアが湧きでてくるはずです。モニタリングイズムとは、自社貢献を目指すモニタリング担当者の仕事への意欲と志なのです。
毎日、音源を聞いていても、何も浮かばない、何も感じない人には、この「イズム」が足りないのではないでしょうか。「音」が何も教えてくれないのですから。「音」はいろいろなことを「表示」してくれます。コミュニケータのメッセージもお客様のメッセージも包み隠さず教えてくれます。では、具体的に「モニタリングイズム」が働いている場面を考えてみましょう。
あるコンタクトセンターの研修で、ホームクリーニングのオーダーセンター(依頼受付)の音源を聞いていたときのことです。キッチンの換気扇・水まわり一式クリーナーの依頼入電の会話の中で、料金についての説明で大きな「音」の変化がありました。コミュニケータは汚れ具合によっては、基本料金に1000円から5000円程度の課金が発生することを説明しています。ところが、なんとなく口調が甘えたお願い調です。現場に行ってみないとわからないという説明が苦手であることがわかります。お客様も「・・・そうですか・・・支払いはその場で現金でしたよね・・・・。じゃぁ、わかりました」と躊躇しながら返事をしています。
この状況をモニタリングで発見すると「自社ルールをわかりやすく説明することができていない」と評価することでしょう。ところがモニタリングイズムを持ち合わせたモニタリング担当者は、「自社が考える『お客様の真実の期待に応える』ためには、なぜ追加課金は現場に行かないと提示できないのか」「安心してお支払いの準備をしていただくためにはどのような説明をするとよいのか」という2点に気づきを持つことができます。この気づきはさらに仮説の発案へと進みます。
現状:料金の説明は自社ルールの1つと考え、毅然と説明することが大切だ。
↓
仮説:基本料金+ご納得いただけるクリーニングの料金というスタンスで説明する。
この説明を妥当なものとするためには、具体的な「ご納得」レベルを顧客から事前に聞きだす必要がある。かつ、その情報から交渉を行い、納得レベルを「合意」したならば、料金の可能性、時間等の詳しい内容を交渉する。
↓
効果:会話プロセス自体が納得度を高めており、現場担当者が効率よく業務を進めることができる。また、クリーニングの難度をわかりやすく現場で説明することができるので、不満足要因を払拭できる。
↓
成果:顧客からの信頼度が高まり、定期的な依頼獲得につながる。
着目すべき点:顧客は低料金であることだけに満足を求めてはいない。
企業の実力と姿勢を評価している。
コールセンターにおけるビジネス発見力は誰よりもモニタリング担当者の「耳」に
かかっています。今までのように、説明フレーズの改善ばかりに目を向けるのでは
なく、「仮説」を立て、その仮説から成功を導き出すための顧客対応技術を活用
することです。ビジネスに強いモニタリングこそ、今の社会で求められていることで
す。モニタリングイズムを支える4つの能力を自己研鑽する時代の到来です。
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石川かおる K&Iパートナーズ・グループ 代表 Chief produce Officer 成城大学法学部卒業。 大学卒業後、営業職として企業に勤務。サービス人材育成プログラムの作成や新設部署の立ち上げなどを行う。退職後、幅広い営業活動、社内教育の経験を生かし、株式会社オフィス石川を立ち上げ、講師として活動。年間登壇回数は平均200回に及ぶ。財団法人日本電信電話ユーザ協会契約講師。 詳細はこちらから 【最新の記事】 [2010.06.24]サービスイノベーションへの挑戦 vo.6 [2010.05.07]モニタリングイズムを知ろう [2010.03.08]モニタリング担当者に必要な能力 |









