メール対応の極意-メールを“傾読(ケイドク)”しようvo.3
2010 年 2 月 15 日
連載コラム第三回目
今回は、傾読テクニックの2つ目を紹介します。「無視せず、受け止める」ということです。
■メール傾読テクニックその2「無視せず、受け止める」
とてもシンプルな事ですが、なかなか徹底されていないのがこのポイントです。つまり、「顧客からの申し出すべてに対してアクションを取りましょう」ということに過ぎません。電話対応なら当たり前に実施しているこのことですが、メール対応となると、いくつかの理由からこのシンプルな法則が守られないという事態が起きてしまうようです。
原文そのままではありませんが、過去の実例を少しアレンジしたケースを見ていただければと思います。

上記の例では、まず前回お伝えした「ブレイクダウンする」テクニックを利用すると、3つの要素があることがわかります。(潜在的ニーズのことについては、後の回で触れます。)それに対して、以下のような返信文が戻ってきました。

回答文章もブレイクダウンして確認してみます。
①の部分はいわゆる挨拶の定型文です。しかし、問い合わせ文章では「興味を持っている」という積極的な文章でした。それに呼応しているとは思えません。コメントした通り、辛うじて無視していない、というレベルです。
②はご覧のとおり、何らかの定型文章を当て込んだものと思われます。「個人情報に対しての問い合わせが来た場合のテンプレート」というものを選択したと思わせるような内容です。というのも、単なるURLの貼り付けで、Webページへの誘導をしているだけです。
念のため申し添えますが、私はテンプレート文章を否定しているわけではありません。実際の生産性、そしてサービス品質の均一化を考えれば、テンプレートなくしてメール対応はできるはずがありません。定型文章でも、手を加えるだけで相手の質問に回答することが簡単にできます。このことは、4つめのポイントの際にお伝えします。
そして結果としては「心配なら、自分で該当のWebページを確認して、自己判断のうえ入会をしてくれ」と言わんばかりの回答文章です。
これで、この問い合わせをした方は、このサービスに入会すると思われますか?私は絶対にあり得ないと思います。皆さんも、メール質問者側の立場になれば非常にシンプルに考えられると思います。

質問内容を網羅し、きちんと回答することはもちろん重要です。それに加えて絶対に無視してならないのは、「顧客の感情」です。
つい最近も、初めに顧客の感情を無視してしまったがために重症化したメールクレーム対応の例に遭遇しました。とてもシンプルなことですが、テンプレートに当てはめて回答するという「作業」化してしまうことで顧客満足度は著しく下降し、時にはクレームにも発展します。
顧客の感情が電話よりも見えにくいメール対応で、顧客の感情らしきものが文章化されているときはそれを見逃してはなりません。そこが、メール対応で他社と差をつけるポイントとも言えます。
私がメールミステリー調査をしている中で大変すばらしい対応をしている企業がいくつかありましたが、それはいずれもテンプレートを駆使しながらも、One to Oneを意識させる内容でした。マーケティングの権威フィリップ・コトラーも、顧客のサービスレベル指標の一つとして「自分だけに向けられているサービスであるか」という点は影響すると述べています。
皆さんもこれまでに心に残っている良いサービスは、「自分のために○○してくれた」というものではありませんか?おそらくそのはずです。そのポイントを忘れないようにしていきましょう。
次は、傾読3つめのポイントについて紹介する予定です。











