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SaaSとはなにか?

2010 年 10 月 9 日

SaaS(Software as a Service)は、ソフトウェアを購入して所有するのではなく、クラウドコンピューティング上のソフトウェアを使用して、月額使用料を支払うコンピュータの利用形態を指します。もちろんハードウェアやOSやデータベースを購入し管理する必要もありませんし、それぞれのバージョンアップを心配することも必要ありません。

太平洋セメント特別顧問の諸井虔さんをご存知の方は多いと思います。
諸井虔さんの訃報を聞いて、頭に浮かんだのはSaaSのことでした。
というのは、約30年前位でしょうか、諸井さんの講演会を聞いたことがあります。
諸井さんが、「将来、企業からはIT部門が無くなる。戦前には各企業は工場や本社を建てるために一級建築士を必ず雇っていたが、今、一級建築士を抱え込んだ一般企業は無いでしょう。それと同じです。」と言われた事がとても印象的でした。

私がIT産業に入った40年前にはコンピュータメーカ以外のSI会社はほとんどありませんでした。システム開発・運営はユーザ企業自身が行うものでした。大きなコンピュータールームを社内に作り、システム部門には多くのエンジニアを抱え込んでいました。
ところが、今やSI産業は、コンピュータメーカー産業以上に大きくなりました。
各企業は、本業ではないシステム開発・運営を社外にアウトソースするようになったからです。ところが、諸井さんが予言されたように、企業から完全にIT部門がなくなったかというと、そうでもありません。何らかの理由で企業自身が自営せざるを得ない部分が残っています。
IT部門の子会社化、ハウジング、ホスティングはまだまだ中途半端なアウトソースです。
ASPもそれなりに普及してきましたが、メールやグループウェア等のカスタマイズが必要ないアプリケーションに限定されています。企業内システムを総てアウトソースするには、カスタマイズ可能なSaaSが近道です。
IT産業の一番大きなトレンドは、企業からIT部門が無くなることだとすると、ASPのレッテルを変えただけのSaaSではなく、本来のSaaSがその原動力となったユーティリティ・コンピューティングがITビジネスのメガトレンドです。
IT利用形態の今後のメガトレンドは、すなわちITビジネスモデルの今後のメガトレンドはサービス化(電気、ガス、水道などに見られるユーティリティ化)です。ハウジングやホスティングのデータセンターの普及、レンタルサーバなどの普及は、明らかにその予兆です。
社会基盤として、電線やガス管や水道管の様にデータ通信網が整ってきた今、自社内にサーバを自営する必然性は失われてきました。ならば、そのサーバの上に構築してきたアプリケーションも自社開発やパッケージ購入から、SaaSの利用に向かうのは新しい必然です。

ところが、ネットワーク、サーバ、データベースなどのIT基盤、更にメール、スプレットシートなどのITツールは共同利用で問題はありませんが、アプリケーションとなるとそうは行きません。
業種、業態、各企業の戦略によって、他社とまったく同じ仕様のアプリケーションを使えば済むというものではありません。ビジネスプロセスの効率化どころか、阻害要因になりかねない場合もあるからです。
パッケージを導入する際は、カスタマイズをしないで、ビジネスプロセスをグローバルスタンダードのパッケージに合わすべきだとの議論が、まことしやかに語られてきました。これはパッケージベンダー側の論理、乃至は安易なカスタマイズへの警句と捉えるべきです。システムをビジネスプロセスの阻害要因にしないための最低限のカスタマイズは必要です。
但し、初期のカスタマイズにコストがかかることは勿論ですが、これはマネージできます。将来のバージョンアップ時のコストは、導入時に予想することは不可能です。
従来のカスタマイズが出来なかったASPが、カスタマイズ可能なSaaSになってきたことは福音ですが、バージョンアップ時の問題が解決されているのでしょう?

セールスフォース・ドットコムでは今までに30回以上の アップグレードが行われていますが、カスタマイズ部分は何も影響を受けていません。共通で使われるコアーなインスタンスのみがアップグレードされているからです。これはとても大きなことです。 OSのバージョン、DBのバージョン、アプリケーションのバージョン、ハードウェアのサポート切れ、これらの組み合わせによるバージョンアップ作業の自縛から初めて逃れることができます。


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泉谷 章

著者:泉谷 章

http://www.waku-con.com/

・早稲田大学政治経済学部卒業。
・日本ユニシス㈱にて、営業、製造業ソリューショントレーニング、製造業ソリューション製品開発開発(MRPⅡのPCS,BAMCS,SIMIX)・マーケティングに従事。JPICSのメンバーとしてMRPの普及に努める。
・三井物産(株)にて日本初のCRMパッケージVantive(現PeopleSoft CRM)ビジネスを成功させるActivexCT協議会 初代会長としてCTIの普及に努める。
・eCRMのエピファニー・ソフトウェア日本法人の立ち上げに参画後、データウェアハウスのTeradata、ビジネスインテリジェンスの日本ビジネスオブジェクツの営業責任者を歴任
・株式会社アイディーエスにて、モバイルネットワークセキュリティビジネスに従事、又SalesforceやGoogle AppsやWeb CRMのLive800などのSaaS導入コンサルティングビジネスを立ち上げる。
・ワクコンサルティング株式会社所属のCRM、ERP、ITコンサルタントに従事

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