2010 年 8 月 12 日
「人材育成」の第四回は「要約力」(2)です。
前回ご紹介した「要約力」、前回はその必要性やニーズの背景をご説明しました。今回は、その「要約力」の磨き方をご説明しましょう。
押さえておきたい要約のステップ
それでは、要約力を磨くためのポイントと訓練方法をご説明します。
ステップ1 全体を見ていることを自覚する
図1を見て「何の写真ですか?」と聞かれたらあなたは何と答えますか。おそらく「朝食」、「ブランチ」と答えるでしょう。まさか「テーブルの上にパンとシリアルの皿が乗っている。コーヒーとミルクがある。椅子は二脚、庭に面した部屋である...」なんて細かいことから答える人はいないでしょう。でも、なぜ「朝食」という判断を下したかといえば、「テーブル」や「シリアルの皿」や「外が明るい」という情報を瞬時に組み合わせ、判断したのです。
私たちは通常自然に「要約」の作業を行っています。全体を把握するために、細部もしっかり見たうえで全体像としてまとめあげているのです。
ステップ2 文章の構造と話の構造を考える
「書き言葉」は読み返すという作業ができるため、文の構造を考える作業が可能です。しかし、「聴く言葉」はとどめることができません。それぞれの特徴を踏まえて内容をとらえましょう。
・書き言葉:
「段落」ごとに何が書かれているか把握すること/主語と述語を見つけ出すこと
・話し言葉:
ローデータ(事実)とフィルターデータ(主観的事実)を聞きわけること
・どちらにもいえること
まずは、結論を探すこと
ステップ3 重要な部分を選別する
内容が把握できたら、実際に要約作業を始めましょう。
・ポイント
「要約したものは、誰に読ませるものか?」/キーワードは何か
ステップ4 誤解のないアウトプットにする
明快に要約するためには、結論から伝えることが大切です。相手の判断や行動につながるような書き方、話し方をすることが得策です。
・ポイント
結論を明確にアウトプットする/全体像から説明する/まぎらわしい言い回しは避ける
要約力の鍛え方
仕事をしながらも日々楽しく要約力を身につけていくための練習方法をいくつかご紹介します。練習のための素材は、会社にも家にも街にも、いたるところにあふれています。自分に合ったやり方を見つけて、要約力を磨いてください。
練習1 文章で鍛える
日記のつけかたとか、ノートの取り方、ひいてはログ入力なども絶好の訓練の場です。もちろん、SNSやブログでもOK。日記ならどこかにハイライトが当たるように書いてみたり、ノートは事実と感想をわけながら書くと訓練になります。見出しやタイトルをつけてみましょう。見出しは究極の「要約」です。
練習2 映像を活用する
私はよく、10分から20分程度のテレビ番組をメモ帳片手に見ています。料理番組などをまとめるのは、実利と一石二鳥の良い訓練です。テレビ番組のメリットは録画していつでも好きなときにできることにもあります。また、「映像」という補助ツールがありますから、「難しいなぁ」という意識が薄れ、楽しいと感じられるのが良いところです。
練習3人に見てもらう
書いた文章を人に見てもらうのも、良い方法です。会社の同僚や先輩など誰でもよいのですが、文章を書くのが得意な人がいたら、ぜひ見てもらいましょう。自分で書いた文章が上手く書けているかどうかは、自分では判断がつきにくいものです。「見てもらい、フィードバックしてもらう」という繰り返しは、一番力がつきます。「相手に悪い」などと遠慮せずに。そしてアドバイスは素直に受け入れましょう。
要約力が必要なシーンは日常のさまざまなところにあります。そこに気づくこと、そして自分に合った無理のない方法で練習することが重要です。楽しく続けてスキルアップしてください。










